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新しい発達障害観の模索-「企業社会と私」シリーズまとめ
「企業社会と私」シリーズへのお付き合いありとうございました。今回はまとめです。
この連載では、つたない私の経験ではありますが、発達障害者の企業社会との関わりの一例をそのまま伝えたく、事実を可能な限り具体的に書くことから始めました。そのため、「成果主義」「目標管理」「(ビジネス)フレームワーク」「ISO9000」など、聞き慣れないビジネス用語が多く出てきたかと思います。意味がつかみにくかった言葉については、一度ネット検索にて調べていただけると幸いです。
後半では、多くの人が「(変と思っても)まわりに流される」行動を、「定型者の特性」(短所でもある)と考察しました。「特性」というと、発達障害者にばかり当てはめられがちですが、会社をダメにすることもある多数派(=おおむね定型者)の行動は、十分「特性」と呼ぶに値すると考えました。会社の多数派を見ていると、考え方どころか、口調まで同じになってきます。まるで「金太郎飴」状態です。それほどまでに強い「流される」特性を持つと見ています。逆に、発達障害者の流されない姿勢は、長所でもあります。
また、定型者の「普通」とされる部分を「特性」と呼ぶことにより、定型者と発達障害者を対等な関係として見ることが出来るのではないでしょうか。
そして、そこから出てきたのが「定型者と発達障害者が補完しあう関係」です。企業にとって補完しあう関係が必要不可欠であると考えたわけです。私は、社会全体がそうでなければ発展しないと真剣に思っています。
ここで、「補完しあう」ために、私が最も重要と思うことを挙げたいと思います。
「定型者、発達障害者ともに、自分自身の特性(長所、短所)を知り、またお互いその特性を知ること。」
私の会社では、自分の特性に気付かず、まわりも特性であることに気付かないために起こっているディスコミュニケーションが多く見られます。
自分自身の特性を知ることは、本人が抱えてきたストレス、生きづらさの原因を知るものであり、お互いの特性を知ることは、真のコミュニケーションを図るために必須であるはず。すべてはここからしか始まらないと、私は確信しています。
しかし、それにはまず、定型者によってつくられた、発達障害に対する「○○が出来ない」といったネガティブなイメージをなくさなければなりません。安心してオープンにできる環境がなくては、特性を語るどころか、自分の特性を受け入れることすら出来ません。何よりも優先する、緊急の課題です。
この連載が、ネガティブなイメージを払拭する一助になれば幸いです。
ブログ村のランキングに参加しています。今回もぜひ押して行ってください。

こちらへもどうぞ。

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(追記は、記事で使った言葉の解説です。)
・「成果主義」について
目標を立て、成果に向かって取り組んでいるのに、なぜ自分の考えと違うことになるのか、疑問に思われた方も多いと思います。しかし、1990年代に各企業が見よう見まねで導入した「成果主義」は、とても真の成果を反映できるものではなかったのです。ぜひ、「成果主義 弊害」といったキーワードでネット検索してみてください。多くの社員が、今まで長期的・全体的な視野を持って主体的に取り組んできたことと異なる目標を掲げざるを得ず、やる気を失ってしまう姿が見えてくると思います。
「成果主義」導入後、業績を下げた企業が多くあるのは周知の事実です。
・「自分の考えと実際の行動の乖離」
人は、怠け者であり、同時に楽しいことに非常に敏感な生き物だと思っています。「無難にこなす」の中にあるのは「どうやって横着するか」であり、主体的に取り組むときは「どれだけ自分の力を発揮できるか(=楽しめるか)」だと思っています。
管理職にとっては、当然ながら後者の方が舵取りが難しいわけですが、どっちの方が生産性が高いかは、考えるまでもないでしょう。
この連載では、つたない私の経験ではありますが、発達障害者の企業社会との関わりの一例をそのまま伝えたく、事実を可能な限り具体的に書くことから始めました。そのため、「成果主義」「目標管理」「(ビジネス)フレームワーク」「ISO9000」など、聞き慣れないビジネス用語が多く出てきたかと思います。意味がつかみにくかった言葉については、一度ネット検索にて調べていただけると幸いです。
後半では、多くの人が「(変と思っても)まわりに流される」行動を、「定型者の特性」(短所でもある)と考察しました。「特性」というと、発達障害者にばかり当てはめられがちですが、会社をダメにすることもある多数派(=おおむね定型者)の行動は、十分「特性」と呼ぶに値すると考えました。会社の多数派を見ていると、考え方どころか、口調まで同じになってきます。まるで「金太郎飴」状態です。それほどまでに強い「流される」特性を持つと見ています。逆に、発達障害者の流されない姿勢は、長所でもあります。
また、定型者の「普通」とされる部分を「特性」と呼ぶことにより、定型者と発達障害者を対等な関係として見ることが出来るのではないでしょうか。
そして、そこから出てきたのが「定型者と発達障害者が補完しあう関係」です。企業にとって補完しあう関係が必要不可欠であると考えたわけです。私は、社会全体がそうでなければ発展しないと真剣に思っています。
ここで、「補完しあう」ために、私が最も重要と思うことを挙げたいと思います。
「定型者、発達障害者ともに、自分自身の特性(長所、短所)を知り、またお互いその特性を知ること。」
私の会社では、自分の特性に気付かず、まわりも特性であることに気付かないために起こっているディスコミュニケーションが多く見られます。
自分自身の特性を知ることは、本人が抱えてきたストレス、生きづらさの原因を知るものであり、お互いの特性を知ることは、真のコミュニケーションを図るために必須であるはず。すべてはここからしか始まらないと、私は確信しています。
しかし、それにはまず、定型者によってつくられた、発達障害に対する「○○が出来ない」といったネガティブなイメージをなくさなければなりません。安心してオープンにできる環境がなくては、特性を語るどころか、自分の特性を受け入れることすら出来ません。何よりも優先する、緊急の課題です。
この連載が、ネガティブなイメージを払拭する一助になれば幸いです。
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(追記は、記事で使った言葉の解説です。)
・「成果主義」について
目標を立て、成果に向かって取り組んでいるのに、なぜ自分の考えと違うことになるのか、疑問に思われた方も多いと思います。しかし、1990年代に各企業が見よう見まねで導入した「成果主義」は、とても真の成果を反映できるものではなかったのです。ぜひ、「成果主義 弊害」といったキーワードでネット検索してみてください。多くの社員が、今まで長期的・全体的な視野を持って主体的に取り組んできたことと異なる目標を掲げざるを得ず、やる気を失ってしまう姿が見えてくると思います。
「成果主義」導入後、業績を下げた企業が多くあるのは周知の事実です。
・「自分の考えと実際の行動の乖離」
人は、怠け者であり、同時に楽しいことに非常に敏感な生き物だと思っています。「無難にこなす」の中にあるのは「どうやって横着するか」であり、主体的に取り組むときは「どれだけ自分の力を発揮できるか(=楽しめるか)」だと思っています。
管理職にとっては、当然ながら後者の方が舵取りが難しいわけですが、どっちの方が生産性が高いかは、考えるまでもないでしょう。
テーマ : アスペルガー症候群・自閉症スペクトラム - ジャンル : 心と身体
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コメント
補完しあいましょう
同じことを考えてました
>「定型者、発達障害者ともに、自分自身の特性(長所、短所)を知り、またお互いその特性を知ること。」
これと全く同じことを考えてました。
定型とか発達障害とか分けずに、こういう特性を持った人、という認識でお互い関わっていけたら・・・と思います。
これと全く同じことを考えてました。
定型とか発達障害とか分けずに、こういう特性を持った人、という認識でお互い関わっていけたら・・・と思います。
Re: 補完しあいましょう
ハチさん、コメントありがとうございます。
当事者以外の方からこのようなコメントをいただき、非常にうれしいです。
発達障害者の特性は非常に多様で、長所・短所を一概に語ることは難しいですが、共通するのはまじめである点だと思っています。
これからは、地球環境、高齢社会など、私たちが切り抜けなければならない課題が山積みで、みんなが知恵を絞っていかなければならない時代です。今こそ、多様な感性や考え方が必要で、補完しあって新たな時代をつくっていく以外に道はないと確信します。
布教(笑)して行きましょうね。
関西へお寄りの際には、ぜひ一報ください。
当事者以外の方からこのようなコメントをいただき、非常にうれしいです。
発達障害者の特性は非常に多様で、長所・短所を一概に語ることは難しいですが、共通するのはまじめである点だと思っています。
これからは、地球環境、高齢社会など、私たちが切り抜けなければならない課題が山積みで、みんなが知恵を絞っていかなければならない時代です。今こそ、多様な感性や考え方が必要で、補完しあって新たな時代をつくっていく以外に道はないと確信します。
布教(笑)して行きましょうね。
関西へお寄りの際には、ぜひ一報ください。
Re: 同じことを考えてました
はらぺこるいさん
そうですね。人にはそれぞれ長所・短所があるってこと、誰もが知っているはずなのに、今は無難にこなせることばかり求められる状況ですね。
知らないこととの出会いからしか、新たなことは生まれません。日本社会が低迷しているのは、こういったことが関係していると思っています。
新たな時代を切り開くために、これからも発信し続けていきましょうか。
ややこしい連載記事にいくつもコメントいただき、ありがとうございます。次は写真記事にする予定です。今後ともよろしくです。
そうですね。人にはそれぞれ長所・短所があるってこと、誰もが知っているはずなのに、今は無難にこなせることばかり求められる状況ですね。
知らないこととの出会いからしか、新たなことは生まれません。日本社会が低迷しているのは、こういったことが関係していると思っています。
新たな時代を切り開くために、これからも発信し続けていきましょうか。
ややこしい連載記事にいくつもコメントいただき、ありがとうございます。次は写真記事にする予定です。今後ともよろしくです。
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私はアスペルガーの方は、とてもピュアで、表面からはなかなか見えないけれどとても多くの言葉や知識、ロジカルな考えを持っておられると思います。
そこに気付かされる事、助けられる事も多いです。
確かに、不器用なことも多く「ぎょっ」となることもあるのですが、そこは気付いた自分がフォローして、自分の苦手なところや、相手が得意なところで力を発揮してもらえば良いじゃないかって思います。
まささんとはリアルで交流することはないにしても、似たような意思を持つ人がいる限り、きっと叶うことだと信じて布教(笑)して行きます。がんばりましょー。