結果と考察-職場での「内と外を分けない実証実験」報告(2)

前回の続きです。職場での1年にわたる「実証実験」(社内プロジェクト)の内容を可能な範囲で紹介し、「発達障害者と補完しあう関係」について考察してみます。

・実験内容と結果
このプロジェクトの役割は、「セクショナリズムのすき間に落とされた仕事を拾い上げ、各部署に戻す」こと。プロジェクト自体が問題を解決するのではありません。実際、プロジェクト員は事実上私ひとり。ひとりで出来ることは知れています。
まず直面したのは、各部署の排他性・閉鎖性。言葉で説明出来ない「入り込めない空気」が立ちはだかります。個別に話をしても、逆に仕事を押し付けられてしまいます。さらに、相談できる相手は、上司も含め社内に誰もいません。
そこで私が取った戦術は、問題点を社内全体へオープンにすること。週1回の社内メールマガジンの発行(全40回超)など、徹底してプロジェクトの活動を公開してきました。
プロジェクト開始から数ヶ月を経過したあたりからでしょうか。部署にもよりますが、少しずつ「連携することで問題が解決できる」という意識が生まれ、その結果放置されていた問題の解決が進み始めました。

・考察
「実証実験」のテーマである「発達障害者と補完しあう関係」について考察します。
排他性・閉鎖性に直面したとき、解決は無理かも、と思いました。これが「成果主義」に伴うセクショナリズムだとすると、社の方針であって、私が口を出すことではありません。
しかし、見ていると、セクショナリズムが必ずしも「成果主義」(目標管理)に従っていないことに気付きました。自部署が有利に立てるかどうかで動いているようなのです。「内と外」を分ける現代の「ムラ社会」構造を記したサイトを紹介します(2011年10月12日)にある、「ムラ的共同体=タテ社会」です。
また、「ムラ」の中では強い「同質性の強要」が働いています。過去記事「企業社会と私」シリーズでは、これを「定型者の流される特性」と呼びました。
このことから、このプロジェクトは、「ムラ」に取り込まれない「流される特性を持たない者」と補完しあって軌道修正していく「実証実験」であったと考えています。
また、「横のつながり」の大切さを会社に認識させたことが、「成果主義」の改善につながるかもしれません。補完することで企業が成長する可能性が出てきたわけです。

次回は、このプロジェクトを遂行するにあたり、私にかかったストレスと、それでも壊れずに続けられた理由です。

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まさ(climbmasa)

Author:まさ(climbmasa)
40歳を過ぎて、人とちょっとだけ違う自分に気付きました。ここでは、自分が感じたことを、そのまま表現していきます。
広汎性発達障害(アスペルガー症候群)の当事者です。「人並み」ができず、いろんな場面で苦戦していますが、多くの人に助けられながら生きています。
このブログを通じて、少しでも多くの人に発達障害のことを知ってもらえればと思います。
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