風を感じて
いろんな風を感じて生きています。
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落ちこぼれ企業人が考えたこと
「企業社会と私」シリーズその2です。
まずは、前回の記事「企業社会の中で私が見てきたこと」の補足から。「成果主義」でネット検索すると、導入失敗やモチベーション低下、個人主義の蔓延といった話がたくさん出てきました。「成果主義」の弊害は、私の会社に限らないようです。
ただ、それらは「成果主義」「目標管理」の導入だけが問題でなく、それに付随するいろんな要因が重なって起こっていると予測します。私の会社では、同時期に始まった、家族的経営から組織的経営への転換や、ISO9001認証取得が拍車をかけたと考えています。
(ただし、あくまでも成果主義や組織的経営、ISO9000シリーズそのものが悪いとは考えていません。これらは有効な経営ツールであり、その使い方を誤っていることが問題と考えています。)
前置きが長くなりました。さて今回は、その「成果主義」の流れから落ちこぼれた私が、その中で考え、行動してきたことをそのまま書いてみました。
流れに乗れず、次々に後輩が昇格していく中で、私は「出来ない社員」なのか、この会社に残れるのだろうかと真剣に考えていました。不安な日々が続きました。
でも、だんだん会社の雰囲気が「変」になってきてからは、以前から私が感じていた「何かおかしい」は、きっと間違いないと考えるようになりました。協力し合わない、役割以外のことはしない、さらには誰もが同じことしか言わない雰囲気がどんどん広がっていく中、本当にこれでいいのだろうかと。
多くの人が「成果」につながらない仕事を避ける中、私は、各部署にまたがる調整役のような仕事をする傾向がますます強くなりました。それぞれの「成果」のすき間とも言える、「成果」が見えにくい仕事です。業務知識的には、「広く浅く」を必要とする仕事です。また、みんなが「私の仕事でない」とたらい回しにされた仕事もよく回ってくるようになりました。
そこで大切にしたことがいくつかあります。
1. 「自分の仕事かどうか」よりも、「自分に出来る仕事かどうか」で行動する
ほとんどの人が「自分の仕事か」を考える中で、私は「自分に出来る仕事か」で行動するようになりました。それと同時に、知識がないなど、自分に出来ない仕事については、素直に「わからない」と言うようにもなりました。「成果主義」の流れに反するやり方ですが、意外なほど私に対するまわりの反応は良くなったのです。自分に出来ることは自分の役割から外れていても対応する分、「自分にはわからない」の言葉も素直に受け入れてもらえたようです。
2. 自分で判断することを避ける雰囲気の中で、自分の裁量で判断できることは決めていく
「成果主義」と直接つながらないことかもしれませんが、私の会社で同時に始まった「組織的経営への転換」の方針の中で、「組織(部署)間のやり取りは、担当者同士でなくマネジャー間でやり取りをせよ」ということが頻繁に言われるようになりました。それ自体は正しいことですが、これをいいことに、細かいことまで上司に決めさせる保身的な人が一気に増えました。(これは恐らく、「成果主義」によるモチベーション低下とも関係しているはずです。)
そういう雰囲気の中で、私は「自分で決められることは決める」ようになりました。もちろん自部署の上司とはその判断を共有しますし、決められないことは上司など関係者と協議します。相手の部署の担当者が「マネジャーを通せ」と言えば、私は堂々とそのマネジャーに話をします。
保身的になっている雰囲気に反する行動で、賛否両論ありますが、「賛」もあるわけで、何とかその路線が続いています。
3. 「言葉(文書、手順書)通りから抜け出そう」「協力してやっていこう」「0か100かでなく、そのときの状況を見て判断しよう」と、いつも言っている自分
「目標管理」で仕事の役割が固定化された上、「組織的経営」も重なって保身的な雰囲気になり、「言葉通りに仕事をする」人が多くなる中、私は協力関係を呼びかけることが良くあります。私が送信している業務メールを公開したいくらいです。
いい方向に行っているのか逆効果なのかはわかりませんが、反応が変わってきている人もいます。
そういう中で、私は圧倒的な得票数で労働者の過半数代表者に選ばれたこともあります。
(私の会社には労働組合がないので、労働基準法90条に基づく過半数代表者が必要なのです。)
結果としては、会社には法律上過半数代表者に交渉権がないことを盾に取られ(「コンプライアンス」の名目で)、ろくに活動できなかったのですが、その間社内のいろんな人から話を聞きました。
ということで、「成果主義」に当てはまらない仕事を何とか続けています。流れに乗れない私が生き残るには、これしかなかったのでしょう。
なお、こういった役割の必要性は、会社に認識されているようですが、今も組織上は、私の業務を示す呼称は存在しません。
今回は、私の異端児ぶり全開の姿までです。次回からは、個別の事例を取り上げていきたと思います。
自分のことを自分で書いていますので、都合よく書いている部分もあると思います。例えば、過半数代表者は、単に押し付けられただけ?とか。
私の発達障害を見つけ出した友人は、こういった私の働きぶりからそれに気付いたとのことです。そのあたり、含みを持って読んでいただければと思います。
ブログ村へのリンクです。ぜひ押して行ってください。

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まずは、前回の記事「企業社会の中で私が見てきたこと」の補足から。「成果主義」でネット検索すると、導入失敗やモチベーション低下、個人主義の蔓延といった話がたくさん出てきました。「成果主義」の弊害は、私の会社に限らないようです。
ただ、それらは「成果主義」「目標管理」の導入だけが問題でなく、それに付随するいろんな要因が重なって起こっていると予測します。私の会社では、同時期に始まった、家族的経営から組織的経営への転換や、ISO9001認証取得が拍車をかけたと考えています。
(ただし、あくまでも成果主義や組織的経営、ISO9000シリーズそのものが悪いとは考えていません。これらは有効な経営ツールであり、その使い方を誤っていることが問題と考えています。)
前置きが長くなりました。さて今回は、その「成果主義」の流れから落ちこぼれた私が、その中で考え、行動してきたことをそのまま書いてみました。
流れに乗れず、次々に後輩が昇格していく中で、私は「出来ない社員」なのか、この会社に残れるのだろうかと真剣に考えていました。不安な日々が続きました。
でも、だんだん会社の雰囲気が「変」になってきてからは、以前から私が感じていた「何かおかしい」は、きっと間違いないと考えるようになりました。協力し合わない、役割以外のことはしない、さらには誰もが同じことしか言わない雰囲気がどんどん広がっていく中、本当にこれでいいのだろうかと。
多くの人が「成果」につながらない仕事を避ける中、私は、各部署にまたがる調整役のような仕事をする傾向がますます強くなりました。それぞれの「成果」のすき間とも言える、「成果」が見えにくい仕事です。業務知識的には、「広く浅く」を必要とする仕事です。また、みんなが「私の仕事でない」とたらい回しにされた仕事もよく回ってくるようになりました。
そこで大切にしたことがいくつかあります。
1. 「自分の仕事かどうか」よりも、「自分に出来る仕事かどうか」で行動する
ほとんどの人が「自分の仕事か」を考える中で、私は「自分に出来る仕事か」で行動するようになりました。それと同時に、知識がないなど、自分に出来ない仕事については、素直に「わからない」と言うようにもなりました。「成果主義」の流れに反するやり方ですが、意外なほど私に対するまわりの反応は良くなったのです。自分に出来ることは自分の役割から外れていても対応する分、「自分にはわからない」の言葉も素直に受け入れてもらえたようです。
2. 自分で判断することを避ける雰囲気の中で、自分の裁量で判断できることは決めていく
「成果主義」と直接つながらないことかもしれませんが、私の会社で同時に始まった「組織的経営への転換」の方針の中で、「組織(部署)間のやり取りは、担当者同士でなくマネジャー間でやり取りをせよ」ということが頻繁に言われるようになりました。それ自体は正しいことですが、これをいいことに、細かいことまで上司に決めさせる保身的な人が一気に増えました。(これは恐らく、「成果主義」によるモチベーション低下とも関係しているはずです。)
そういう雰囲気の中で、私は「自分で決められることは決める」ようになりました。もちろん自部署の上司とはその判断を共有しますし、決められないことは上司など関係者と協議します。相手の部署の担当者が「マネジャーを通せ」と言えば、私は堂々とそのマネジャーに話をします。
保身的になっている雰囲気に反する行動で、賛否両論ありますが、「賛」もあるわけで、何とかその路線が続いています。
3. 「言葉(文書、手順書)通りから抜け出そう」「協力してやっていこう」「0か100かでなく、そのときの状況を見て判断しよう」と、いつも言っている自分
「目標管理」で仕事の役割が固定化された上、「組織的経営」も重なって保身的な雰囲気になり、「言葉通りに仕事をする」人が多くなる中、私は協力関係を呼びかけることが良くあります。私が送信している業務メールを公開したいくらいです。
いい方向に行っているのか逆効果なのかはわかりませんが、反応が変わってきている人もいます。
そういう中で、私は圧倒的な得票数で労働者の過半数代表者に選ばれたこともあります。
(私の会社には労働組合がないので、労働基準法90条に基づく過半数代表者が必要なのです。)
結果としては、会社には法律上過半数代表者に交渉権がないことを盾に取られ(「コンプライアンス」の名目で)、ろくに活動できなかったのですが、その間社内のいろんな人から話を聞きました。
ということで、「成果主義」に当てはまらない仕事を何とか続けています。流れに乗れない私が生き残るには、これしかなかったのでしょう。
なお、こういった役割の必要性は、会社に認識されているようですが、今も組織上は、私の業務を示す呼称は存在しません。
今回は、私の異端児ぶり全開の姿までです。次回からは、個別の事例を取り上げていきたと思います。
自分のことを自分で書いていますので、都合よく書いている部分もあると思います。例えば、過半数代表者は、単に押し付けられただけ?とか。
私の発達障害を見つけ出した友人は、こういった私の働きぶりからそれに気付いたとのことです。そのあたり、含みを持って読んでいただければと思います。
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テーマ : アスペルガー症候群・自閉症スペクトラム - ジャンル : 心と身体
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コメント
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Re: 鍵さん
鍵さん、うれしいコメントありがとうございます。公開でいってくださいよ。
あ、名前は伏せてね。
私は29日から年末休暇に入り、真っ先に書きかけていたこの記事を仕上げました。
この連載、いろんな意味でエネルギーを使います。関係者が見たらクレームものですね。でも、どこの会社やら、、、
みなさんへ
鍵コメントの一部を引用しました。本人には年始早々必ずお会いしますので、事後承諾取っておきます。
> これまでずっと読ませていただいた記事の中で
> 一番ストレートに伝わってきた内容だと感じています。
あ、名前は伏せてね。
私は29日から年末休暇に入り、真っ先に書きかけていたこの記事を仕上げました。
この連載、いろんな意味でエネルギーを使います。関係者が見たらクレームものですね。でも、どこの会社やら、、、
みなさんへ
鍵コメントの一部を引用しました。本人には年始早々必ずお会いしますので、事後承諾取っておきます。
> これまでずっと読ませていただいた記事の中で
> 一番ストレートに伝わってきた内容だと感じています。
成果主義の弊害
「成果主義に当てはまらない仕事」…
確かに、企業の中には、それを呼ぶ名称がありませんよね。でも、企業が回っていくためには、確実に必要となる存在であると感じます。調整役の人間が居なければ、組織は瓦解してしまいますものね。
本当に最近の企業人の態度は、保身的で、個人主義的な状況になってきています。みんながこうなりだすと、組織の未来は暗いように感じます。まささんは、そういった風潮の中でも、ご自分を通されていて立派だと思います。
趣旨からずれてしまっていたら、申しわけないです。でも、今回の記事は非常に参考になりました。
次回の更新も、期待しています(^^)
確かに、企業の中には、それを呼ぶ名称がありませんよね。でも、企業が回っていくためには、確実に必要となる存在であると感じます。調整役の人間が居なければ、組織は瓦解してしまいますものね。
本当に最近の企業人の態度は、保身的で、個人主義的な状況になってきています。みんながこうなりだすと、組織の未来は暗いように感じます。まささんは、そういった風潮の中でも、ご自分を通されていて立派だと思います。
趣旨からずれてしまっていたら、申しわけないです。でも、今回の記事は非常に参考になりました。
次回の更新も、期待しています(^^)
Re: 成果主義の弊害
まゆイヌさん
そうです。保身や個人主義が強まると、企業としての生産性が下がるだけでなく、製造業においては事故の可能性も高まります。「成果主義」の見直しをしている企業も多いようですが(実は、私の会社もやっと一部見直しがありました)、一度失った社員の熱い心を取り戻すには、時間がかかる気がします。
この連載、もう少し続けます。期待せずにお待ちください(^^)
そうです。保身や個人主義が強まると、企業としての生産性が下がるだけでなく、製造業においては事故の可能性も高まります。「成果主義」の見直しをしている企業も多いようですが(実は、私の会社もやっと一部見直しがありました)、一度失った社員の熱い心を取り戻すには、時間がかかる気がします。
この連載、もう少し続けます。期待せずにお待ちください(^^)
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